お聖天さまとは
お聖天さまは詳しくは「大聖歓喜双身天王」であり、「歓喜天」とも呼ばれます。お聖天さまは「歓喜」という文字からもわかるように人の歓びを自らの喜びとする天尊です。もとは強い力を備えて仏教徒に害をなす「悪神」でしたが、観音さまのご教化に会われて、その力を人々の救済のために使うようになりました。お聖天さまは良縁や商売繁盛の天尊として有名ですが、知恵や学問にもご利益があり、菅原道真公(天神さま)も深く信仰していました。
八栗のお聖天さまは夫婦二天の天尊であり、後水尾天皇皇后の東福門院(秀忠とお江の娘)の念持仏でした。延宝四年(1676)、これを賜った京都の木食以空上人が四国巡錫中のおり、五剣山の嶮しく神秘的な山容を拝し、ここがお祀りするのにふさわしい場所であると悟り、さらに本堂横の岩窟が凡庸でないことにその意を深くして、翌年延宝五年(1677)にお堂を建てたということです。当山ではこのお聖天さまを50年に一度ご開帳しており、次回は2027年の予定です。
〈お聖天さまの参り方〉
- ①一礼
- ②二拍手
- ③般若心経(一返)※省略しても良い
- ④ご真言(七返) オンキリクギャクウンソワカ
- ⑤祈念
- ⑥二拍手
- ⑦一礼
ご縁とご利益
お聖天さまを熱心にお参りされていた方が、ある難題に直面したとき、次々と思わぬ人に巡り合い、これ以上ない結果を手にしました。それは何とも不思議な体験だったそうです。お聖天さまのあたえてくださる「ご縁」は素晴らしい「ご利益」を生みます。至心に手を合わせて何事もお聖天さまの御心とお任せすることが大切です。
お聖天さまのシンボルとご利益
境内には「巾着」や「大根」のマークが多く見られますが、これは皆さんがお聖天さまを一生懸命に拝むことによって手にされるご利益を表しています。まず「巾着」は福徳財宝の獲得や商売繁盛を表し、「大根」は良縁成就や身体健康さらには夫婦仲良く末永い一家の和合などを意味しております。
もちろんご利益はそれだけに限りません。お聖天さまは人の歓びを自らの喜びとする天尊ですから、それが自分勝手の間違ったものでない限りその望みは叶えられるのです。
ご利益をいただいたならば、幾分かでもまわりの人や社会におすそ分けをすることが大切です。最初は自分の望みを叶えるための祈りで良いのですが、信仰が深まるにしたがって人の幸せをも願う境地へと至って欲しいものです。お聖天さまがそうであるように私たちも人の歓びを自分の喜びにしたいものです。そんな生き方がお聖天さまの御心に叶うものだと思います。
- ○お聖天さまが勧請されて以来、八栗寺では毎朝ご祈祷が行われています。
大縁日・大般若法会は1月・5月・旧9月16日です。 - ○また、毎月1日・16日の縁日にも多くの人が商売繁盛・縁結び・学業成就などを願いに参拝されています。